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ネタバレ有 タイバニ2感想〜鏑木・T・虎徹~

この記事では虎徹さんを中心に感想・考察を記載します。
カリーナとルナティック&ユーリ・ペトロフ、バーナビー・ ブルックス Jr.は別の記事に記載しました
カリーナは恋愛について、ルナティック&ユーリは
ダークナイトで描かれるハービー・デントと比較しながら、
バーナビー・ブルックス Jr. は本来のバーナビーを取り戻す、をメインに記載しました。

カリーナとルナティック&ユーリ・ペトロフ:

ネタバレ有 タイバニ2感想と考察〜カリーナとルナティック&ユーリ〜 - ののろぐ

バーナビー・ブルックス・Jr. :ネタバレ有 タイバニ2感想と考察〜バーナビー・ブルックス Jr.〜 - ののろぐ

はじめに

タイバニ2を公開に漕ぎつけて下さったすべての皆さま、
タイバニを大切に想っているすべての皆さま、 本当にありがとうございます。
タイバニ2が公開されたおかげで、 こんなに素晴らしい作品と出会うことが出来ました。
タイバニ大好きです。これからずっと応援します。
どうかどうか、虎徹とバニーのタイバニが、 これからもずっと続きますように…。 そしてそれをずっと見られますように……!!

諸注意

この記事?はタイバニ2の感想(考察もあり?)を、 ネタバレありで記載しています。
タイバニ2をまだ見ていない方はこのブログを読む前にタイバニ2 をぜひ見てください。
ネタバレなしで見た方がぜっっったいに!面白いので。
また、記載されるのはただの一視聴者の意見・見解です。
意見の相違はあるべきで、 誰かを非難したい意図などは一切ありません。
記載者は2022年の春に初めてタイバニ・ タイバニ2前半を一気に見て、それからハマった人間です。
抜け・漏れ・知らないことがありますが、 大目に見ていただけると幸いです。
タイバニ(2011年放送アニメ)はタイバニ、と表記し、
Netflix独占配信のタイバニ2をタイバニ2と記載します( 映画については書かない予定)

鏑木・T・虎徹 〜対話と成長〜

タイバニ2で、一番変わったのは虎徹さんだなあ、と思いました。
タイバニは、どちらかというと、虎徹さんをきっかけに、
虎徹さん以外の人間が変わっていくお話しだったなあと思っていま す
(虎徹さん自身もバーナビーとの出会いで変わり、
その結果周りの人間関係が変わっていくのだけれど、 それは主軸じゃない感じ)


「タイバニ」というお話はものすごく好きなんですが、
「奥さんのことは大好きだけれど、子供は好きになれない夫」を
自分自身、子供の頃から見てきたので「タイバニ」 での虎徹さんがそれに重なってしまって、
個人的には「タイバニ」の虎徹さんは、純粋に「大好き!」 とは思いづらかったです。
友恵さんに「ヒーローでいて」といわれたのもあり、 彼女が亡くなってからも「ヒーロー」の仕事を続けた虎徹さん。 奥さんの死に目に会えなかった(ヒーローであるが故に側にいれなかった) 負い目もあるでしょうが、 楓ちゃんの扱いがお粗末だったなあと思ってしまいます。
楓ちゃんが現実では10歳になっているのにも関わらず、 彼女への接し方がいつまでも子供向けな接し方だったし、 いくら職業を隠しているとはいえ、 彼女にかけられる言葉や態度はもうちょっと別のものもあったのではないかなと。(特殊な仕事といえど、 彼女との約束は極力守ろうとするべきだし、約束を破る際は真摯に謝罪するべきだった)
友恵さんが亡くなってしまった原因が不明なのでなんとも言えませんが、
もし楓ちゃんの出産がきっかけ、 もしくは原因で友恵さんが亡くなってしまったのならば、
虎徹さんの楓ちゃんへの態度はわからなくもないなあ、 と思いました。
楓ちゃんは愛すべき(望んで産まれてきた)子供のはずなのに、
最愛の友恵さんを結果として失ってしまったのならば、
楓ちゃんが産まれてきてくれなければ、友恵さんと一緒だったのにと思ってしまいそうだなと。
そして、そんなことを思ってしまっている自分を隠すために、楓ちゃんと距離を置いていたのかなあと。


「タイバニ2」では楓ちゃんが成長したから、 というのも大いにあるのですが、

虎徹さんがちゃんと楓ちゃんと向き合おう(対話しよう) としていたのが、好きでした。
「ヒーロー」とはなんなのか、どうして自分の娘には「ヒーロー」をして欲しくないのかを誤魔化さずに言えた。
また、近況報告の連絡をお母さんの安寿さんだけでなく、 楓ちゃんにもできたし「Papa is fine.」という言葉を消せた。
「タイバニ」ではありえなかった言動で、 この虎徹自身の成長が見れて、本当に「タイバニ2」 があってくれて良かったです。


補足:
タイバニでの虎徹さんの「ヒーロー」への想いは、 自分への罪滅ぼしと、 少し足枷のような部分もあったのではないかと思っていました。 ライジングでもそのようなところがあるのですが、 タイバニ2では「ヒーロー」というよりは「虎徹自身」 がどうしたいか、 というふうに考えられるようになったように感じて、 良かったです……!

 

閑話休題、タイバニ2の15話で「 そういう人と出会ったらお互いすぐにわかるもんだ」 と虎徹がカリーナに言うのですが、 なんかもうそれすごい告白じゃん、公式……!!!!!って。 めちゃびっくりしました。
タイバニの世界において、虎徹はベテランヒーロー(旬が過ぎた感のある)で、 他のヒーローとそんなに仲が良かった訳でもなかったわけです(アントニオを除く)。バーナビーが来た事をきっかけに、 色んなエピソードを通じてヒーローがお互いを知っていき「信じ」 られるようになるのですが、 全部バーナビーと出会ってから変わったわけで……。(尊みがすごい)


個人的にはタイバニは「信じる」お話で、タイバニ2は「信頼」 とか「愛」のお話だったなあと思っています。 タイバニの前半では、バーナビーが虎徹を信じる(信じられる) ようになり、
タイバニの後半では、ヒーローみんなが記憶を変えられて、 虎徹のことを知らない→ 虎徹はみんなが自分のことを思い出してくれると信じてる→ みんなが記憶を思い出す→ バーナビーと虎徹以外のヒーローが閉じ込められても、 ヒーローのみんなのことを信じる→楓ちゃんの能力で脱出できた、 という作りだったなあと。
「タイバニ」を見た時、 各キャラクターのヒーロー名はパッと出てくるのですが、 個人のお名前(本名)は正直あんまり紐づけられませんでした。

それはタイバニにおいては、各ヒーローが「ヒーロー」 としてどうしていくのかが描かれていき、
タイバニ2においては「ヒーロー」 ではない個人がどう生きたいのか、どうしたいのか、 が描かれていたからだろうなあと思っています。
(「ヒーロー」という職業が停止されたため、 ただの一般人として過ごさなければならなかった、 というのもありますが、 タイバニ2で各キャラクターの人生や生活がより垣間見えて嬉しか ったです)

対話を選ぶということ

平田さんはいつぞやの同時視聴回で虎徹のことを「だなだなおじさん」だと仰られたのですが、
タイバニ2において、虎徹は「対話」を選んだし、 それができるようになったんだな、と思いました。
(タイバニ2の後半でバーナビーとヒーローじゃなくなってもバディなのかと話したり、カリーナとの会話だったり、色々と)


2021年に公開された作品で、特に「対話」 が印象的だった作品が2つあります。
一つは「シン・エヴァンゲリオン 劇場版」、もう一つは「スパイダーマン No Way Home(日本公開は2022/01)」です。


*上記2作品のネタバレも含んで記載します。ご注意ください。

 

エヴァンゲリオンは言わずと知れた超有名作品なので今更説明不要だと思いますが、
主人公である碇シンジとその父との間で会話もなく、
碇シンジのある意味同僚(戦友?)の惣流・アスカ・ ラングレーと対話しなかったが故にめちゃめちゃ嫌われたり、 碇シンジに世界や状況を説明しなかったり。
説明しないことにより謎が深まる部分もあったのですが、 視聴者が理解できない部分や、鬱憤が溜まる部分もあり、多くの人の心に何かしらのしこりのような、 呪いのようなものを残す作品でした。
エヴァンゲリオンは公開延期されることも度々で、 終わらないのでは、と揶揄されていましたが、
庵野監督の終わらせる、という意思のもと創られたシン・ エヴァンゲリオン
びっくりするくらい呪いを解いていきました。 キャラクター自身の、そしてある意味視聴者への対話によって。
不満だったアスカは、 バカシンジに怒っている理由をちゃんと言われて納得するし、
碇くんをエヴァに乗せないようにと頑張っていたレイは、○ 年越しにシンジと会い、シンジから「エヴァに乗る(自分の意思で)」と言われる。
ずっと謎だった碇ゲンドウもどういう過去で、どういう意図( 願い)での今なのか説明されたし、
ミサトさんの成長や決意(大人としてシンジを送り出す) もみれた。
「さようなら 全てのエヴァンゲリオン」 というフレーズがぴったりの作品でした。
それは、作品内において「対話」によって解消されたものと、 作品外で公開されるまでに時間がかかり、大人になってしまった「オタク」にとって、「現実」や「社会」 がずしりと入り込んだ結果なのではないかと思っています(当然ながら、「エヴァ」が強く心に食い込み続けた方も多いですが)
その結果、シンエヴァ公開当時に、エヴァから卒業できた、 ないし、 エヴァから卒業していたことに気づいてしまったとの感想ツイートを目にしたのではないかと思っています。

 

もう一つの「スパイダーマン No Way Home」ですが、この作品、もう、はちゃめちゃに良かった、んですよね……。
自分はスパイダーマンシリーズを全作見ていて、いわゆるハリウッド映画の「ヒーロー」の中では、スパイダーマンが一番好きです(アイアンマンもいいけど)
ただ、好きだからこそファンとして悲しい思いをすることの多い「ヒーロー」でした。
なぜならば作品外の「大人の事情」で、主人公を務めた役者が3人いたり、打ち切りになったり、色々とあったからです……(アメイジングスパイダーマン3、見たかった……)


スパイダーマン」を演じたのは初代はトビー・マグワイア
2代目はアンドリュー・ガーフィールド、3代目はトム・ホランド、の3名です。
私は初代スパイダーマンがめっっっっっっっっちゃくちゃ、好きです。
(作品の内容も初代が一番好きです。スパイダーマンの正体を知った市民が「まだ子供じゃないか」とみんなで敵からスパイダーマンを隠そうと庇ったシーンとか、もう最高)


スパイダーマン」って、頭のいい、冴えない男の子が、ひょんなことから力を得て、
持ち前の頭の良さで色んなギアを作って、社会の中で「ヒーロー」として生きるのか、
それとも「ヒーロー」じゃないただの学生(一般市民)として生きるのか、という葛藤が見られて、
すごく好きなんですよね。新聞記事とかニュースで「スパイダーマン」が批判されたりもするし。
(アイアンマンやバットマンとかみたいに、お金もあって、地位もあって、大人って描かれる「ヒーロー」もいいけど、「ヒーロー」と「一般市民」との間での葛藤や悩みがすごく好きです。恋愛関係は他のヒーローたちの作品でも描かれてます)


スパイダーマンシリーズはそれぞれ好きなんだけど、ただ結果として「スパイダーマン」を演じた俳優が3人いる(スパイダーマンも3人いる)もどかしさを、「対話」によって解決してくれたのが「スパイダーマン No Way Home」でした。


初代スパイダーマンは最終的におじさんと友人を殺してしまうし、
2代目スパイダーマンは恋人を殺してしまう、
3代目スパイダーマンはおばさんを殺してしまう、というそれぞれの業があるのですが、
メタバース」ということで、1つの画面に3人のスパイダーマン(ピーター・パーカー)が映ってくれて、
「ありがとう、僕」(意訳)というようなセリフを3代目スパイダーマンが言った時、万感の思いでした。
(2代目スパイダーマンがMJを助けるだろうなと流れ的に思いましたが、それでもやっぱり助けてくれて本当に良かった……)


スパイダーマンが3人いることを3人が対話して、認め合って、感謝して、みんなで協力して戦ってくれて、
スパイダーマンファンの心の中の蟠りやしこりが、解けました。
(この時代にトビー・マグワイア演じるスパイダーマンが見れて、もう、本当に嬉しかった……。この映画に関わった全ての皆様、本当にありがとうございます。)


補足:
タイバニ2の19話で、犯人を追いかけようとしたタイガー&バーナビーを警察が追いかけ、結果的に犯人を逃してしまう展開があるのですが、初代スパイダーマンも犯人を見過ごしてしまいます。
初代スパイダーマンは車を買うために、懸賞金のでる試合?に参加します。
新聞には勝てば3,000ドルもらえると書かれていたのに、試合のオーナーは難癖をつけてスパイダーマンに100ドルしか支払いませんでした。スパイダーマンは仕方なくその事務所?から帰ろうとすると、
たまたま強盗犯が事務所に訪れます。オーナーはスパイダーマンに強盗犯を捕まえる協力をするように言うのですが、むしゃくしゃしていたスパイダーマン(オーナーへの八つ当たり)は、その強盗犯を見逃します。
スパイダーマンが家へ帰ろうと車に向かうと、スパイダーマンを車で試合会場そばまで送ってくれたおじさんがその見逃した強盗犯によって殺害されたことを発見してしまいます。
スパイダーマンは犯人を見逃してしまった結果、おじさんを亡くしてしまったことをずっと悔いるのですが、タイバニ2でユーリが母親を亡くしたあとに「どこを間違った……」というシーンと少し重ねてしまいました(ルナティックとヒーローが現れないことで街は犯罪が増え、結果的に肉親をなくしてしまう)。

(タイガー&バーナビーの2人は、結果としてルナティックに強盗犯?の2人を殺させてしまう)
自分がとった行動故に何かが起こる、のはそのキャラクターの業だなあと思ったり。

 

タイバニ2そのものの配信は上記2作品の公開よりも後だったので、
これらの作品を見ていた自分としては、今どきの作品は「対話」が主流なのか?とも思いました。
また、タイバニ2で虎徹が「対話」を選んだのが、キャラクターの成長としても嬉しかったし、
それによって視聴者が昇華できた部分もあって、本当にタイバニ2があってくれて良かったです。
(「対話」ってつよい……)


私はタイバニ2が公開されたのをきっかけにタイバニ、劇場版、タイバニ2とみたので、
全部「今」の自分が視聴しました。
ただ、タイバニ2そのものはタイバニの放送から11年が経過した今、配信されました。
リアルに時間経過がある、ということは当然ながら視聴者(当時からのタイバニファン含む)は歳を重ね、成長します。
シンエヴァを見た時、作品内の「対話」で消化できた部分もあるのですが、ラストシーンで駅から駆け出していく2人が印象的でした。なぜなら、エヴァンゲリオンという作品が「今」の自分には昔ほどの熱量を持って刺さる作品ではないと、この映画によって感じて(思って?)しまったからです。「今」の自分はエヴァというよりは、その世界から飛び出して行こうとする2人のその先が見たい、と思ってしまいました。
「今」の自分が見たタイバニは面白かったけど、「ファイヤー・エンブレム」と「ドラゴンキッド」の扱い方は正直モヤっとしました(ジェンダー的にちょっとお粗末だなあと……)
でも、タイバニ2は虎徹さんの成長含め、心が離れずに、物語を楽しめました。
時代に合わず、心が離れてしまう(自分の中での熱量が消えてしまう)ことが怖かったので、10月から配信されたタイバニ2パート2、心に残り続ける内容で、作品で、本当によかったです。

タイバニの今後について

タイバニ2のエンディングについては、洋物ドラマでありがちな、 謎を謎のまま回収しないでおくスタイルだったし、 キャラクターたちの後日譚もなかった(そのあとがわかるシーンもなかった)ので、正直どうとでも続けていけるなあと思ってます。
(25話ラストのタイミングでは) 能力を失ったと思っている虎徹自身の判断が「 能力がなくてももがく」であり、ある意味呪いのようだった「 ネクスト」能力からの昇華が見れてそれはそれで良かったけど、
数時間後とか、数日後にタイバニよろしく「 実は能力もどりました(生きてました)」パターンでもいいし、
能力はやっぱり戻らなかったけど、これからも頑張る、でもいい。
「隙」がある結末で、 タイバニが一生続いてほしいと思っている自分としては良かったで す。


個人的には2022〜 2023年はタイバニの展開がありつづけるだろうと思っているの で、
2023年に映画来そうだな……と思っています。
ただ各キャラクターの人生や生活をしっかり掘り下げて欲しい気持ちが強いので、劇場版もいいけども尺の長いアニメシリーズ? として「タイバニ3」をやってほしいな……と思っています。


アニメの独占配信は悪であるという言説が広まりつつある昨今、
タイバニの将来を願う1人としては、 地上波放送や独占配信の解禁(他の媒体でも見られるようにする) をして、 間口を広くしてファンを増やして欲しいなと思っています。
タイバニ2も、ものすごくいい作品なので、 もっと多くの人に見てほしいし、広まって欲しい。
タイバニクラスタじゃない人にも届いてほしい。
そのあとにタイバニ3が来てくれて、大勢でお祭り騒ぎしたいな、 と思っています。


2023年に来るとしたらハリウッド実写映画もしくは劇場版が現実的かなあと思いますが、
ひたすらタイバニ3を熱望しています。
タイバニではバディが信じる様を、タイバニ2では信頼を描いた。
仲が悪かったバディがなんだかんだ仲良くなっていく、という描き方は定番なので(最近面白かったのはドラマMIU404とか)、
タイバニ3で信頼の向こう側が見てみたいです。既存の社会や制度の破壊、なのかも知れませんが。
タイバニ2の結末は、どう足掻いても虎徹さんとバーナビーが一緒に生きていく、ということだと思っているので、そこもめちゃめちゃ感謝しています。(どちらかが亡くなる結末は耐えられない……)
虎徹さんがオリエンタルタウンに戻る必要も無くなったし(楓ちゃんはヒーローアカデミーに入学するかも)、バーナビーはバーナビーとして自立できたので、これで虎徹さんと対等に過ごせるし……。
どうかどうか辰年以降もタイバニの展開がありますように。
末長く虎徹さんとバーナビーの物語が続いていって、それを応援できますように。